2002年版
平成14年5月17日 山都町立蘇陽病院発行 第1号
巻頭文 〜発行にあたって〜
 院長 池田信二

 皆様こんにちは、蘇陽病院の院長をしている池田信二と申します。雨に祟られたゴールデンウィークでしたが、如何お過ごしでしたか? 今は張り切っていつもの生活に戻られていることと存じます。
 さて、今回、病院スタッフを中心に蘇陽病院便りを発行することに致しました。日々患者さんと外来で接していて、診察時間が短い等の理由から十分にコミュニケーションがとれないことも一因と思われますが、意外にも、病院のことが知らされていないと印象をもちました。長い歴史と伝統をもち、県下でも有数の由緒ある蘇陽病院ですが、この病院のことを少しでも多く知って頂き、少しでも利用しやすく、お役に立つ情報を紙面に載せ、皆様の健康維持と先進医療を提供できるようにと考えております。例えば、どのような検査および手術ができるのか、どのような医師、看護師がいるのか、人間ドックはできるのか、さらには世間でトピックスの万能細胞、クローン人間、ドミノ肝移植はどうなっているのか、などを考えています。
 医療法改正により、医療が難しくなっていますが、愚痴をいう前に、それなりに知恵をだして乗り越えていかなければなりません。当院は、都会にない豊かな大自然に恵まれており、新鮮な空気、澄んだ水、フィトンチンに充満した森林、および山菜、ブルーベリー等ここでしか得られない貴重な宝物がそれこそ山程あります。これらを大事にして、当院でしか行えない全ての住民に優しい包括医療を実践して行いたいと、全職員が願っています。この病院便りが、早速お役に立つことを願っています。今後、皆様の御指導、御協力を宜しくお願い申し上げます。


医局紹介
 医局長 石原光二郎

 蘇陽病院は現在5名の医師で診療を行っています。4月に2名が赴任し、この1年で全ての医師が交代したことになります。5名のうち2名は内科、3名は外科が専門ですが、新院長のもとで和気あいあいと頑張っています。
 医師というものはいついかなる場合も100パーセントの実力を発揮することが求められると思いますが、私たちも人間ですから調子の出ないときやイライラしたりすることもあります。自分の担当の先生が不機嫌そうにしている時、その先生は当直明けで全然寝てないかも知れません。
 よく、「田舎の病院はのんびりしていていいだろう」などと言われますが、外来、病棟、診療所、往診の他に書類を書いたり会議があったりで結構忙しいものです。
 そんな中でもいつも患者さん第一と思ってやっています。患者さんの目から見ておかしいとか分からないということがあれば遠慮なくおっしゃって下さい。


外来だより
 外来看護師長 赤星美鈴

 当院では、4月より内科医1名増員され、5人体制で診療を行っています。多くの皆様に受診して戴き、満足される医療・看護を提供したいと考えています。地元の病院として『市内に行かなくても、ここでできる』と言うことをお伝えし、できる限りの努力を行いたいと考えています。
 例えば、手術については虫垂(盲腸)、肝臓、腸、胃などの切除術などを行っています。最新の医療として、腹腔鏡下(お腹を大きく開けずに胆のう切除ができます)の手術も可能です。また、胃カメラ、大腸カメラ、CT(頭やお腹の中の検査)、骨密度測定などの検査は毎日行っています。市内の病院とは違い、予約に時間がかからないため、どこよりも早くご利用できる利点もございます。どうぞお気軽にご相談下さい。


病棟から
 病棟看護師長 梶原マリ

 こんにちは。私達は蘇陽病院で働く病棟スタッフです。広報第一号として、皆様ご存知とは思いますが、入院時、利用される病棟についてご案内させていただきます。
 現在、当院では大きく二つに分かれた形をとっております。ひとつは、従来の一般病棟で、手術や急性期の病気を治療するベッドが40床あります。もうひとつは、療養型病床群といって慢性期の病気で概ね病状が安定している患者さんが利用される医療型が5床、その他に療養上のお世話を必要とされる患者さん用の介護型が12床用意されており、全体で57床です。介護型に入院中でも、高齢の方がほとんどですので時には急変されることもあり、そんな時は即、一般病棟へ移動し、すぐに医療処置が受けられるのが最大のメリットではないでしょうか。病棟では、看護師19名と6名の看護助手で24時間、患者さんの身体的精神的な苦痛を和らげられるような看護を目指しております。


新人挨拶
 内科部長 安田國士

 4月1日より水俣市立湯之児病院から蘇陽病院内科に勤務している安田です。専門は呼吸器内科です。前勤めていた病院は、リハビリ中心の病院だったので救急はほとんどありませんでした。しかしここ蘇陽病院はこの地区の救急病院です。まったくタイプの違う病院での勤務です。これからは救急の勉強をやっていかなければと思っております。まだなかなか慣れないことが多くてご迷惑をおかけすると思いますが、これからもよろしくおねがいします。

 外科医師 益山貞治

 熊本大学第二外科よりこの4月に赴任して参りました。しばらく研究生活をしておりましたので、久し振りの診療にやりがいと共に戸惑いも感じております。何しろつい一月前までは試験管と細胞に囲まれて生活していたものですから、環境の変化の大きさにまだ頭も体もついていってないというのが正直な感想です。しかし、院長先生始め他の先生方、看護師などの病院スタッフの方々と協力して皆様により良い医療を提供できる様頑張りたいと存じますので、よろしくお願い申し上げます。


編集後記

 今月より、蘇陽病院だよりを発行することになりました。初回ですので、何かと堅苦しい内容かとは思いますが、今後も発行を続けていき、様々な企画ができればと考えています。「蘇陽病院だより」を通じて、蘇陽病院に感心を持って頂ければ幸いです。
 外来で診察をしていると、よく、『2番(診察室)の先生』と言われることがあります。短期間で医師が交代するのでお年寄りの方にとっては難しいでしょうが、できれば名前で担当医のことを覚えてもらいたいと思っています。中には、「3番の先生は3番(診察室)でなく今日は1番で診察する」というなぞ掛けのような会話が外来で時々聞かれ、笑うに笑えません。
 ところで、今年4月から看護婦(士)が看護師と名称が変更されました。当院の看護婦の名札にも『看護師』と書いてあります。気付かれた方はどの位いらっしゃるでしょうか?(永野久俊)


宣伝のコーナー 

 「みち」出会いふれあい旅〜船越英一郎の中九州紀行という番組で、蘇陽病院と緑川診療所の紹介等が、5月18日(土)午前10時30分〜午前11時25分、KKT熊本県民テレビで放送されました。御覧になられたでしょうか。


平成14年7月17日 山都町立蘇陽病院発行 第2号
巻頭言
 院長 池田信二

 皆様こんにちは、台風シーズンで激しい雨が連日続きましたが、元気にお過ごしでしょうか?季節柄、湿度が高く、食中毒には十分注意なさって下さい。
  さて、第一号に引き続き、蘇陽病院便り第二号を発行することに致しました。前回は、これだけの内容で皆様のお役に立つのか、と不安でしたが、予想以上に多くの方に読んでもらうことが出来たようで、安心致しました。少し自身を頂いて、気持ち新たに二号に取りかかる事が出来ました。
  今回はC型肝炎について少しだけお知らせしたいと思います。慢性C型肝炎は輸血及び針等を介するウイルス感染により、肝臓に障害を与え、十年ないし二十年の長い経過を経て肝硬変、肝癌に進行する恐い病気です。現在我が国には、約二百万人いると推測され、二十一世紀の国民病とまで言われていますが、蘇陽町周辺は、多発地区のようです。従来、画期的な治療法がなく、さらに副作用も強いため、この治療をためらう場合も多かった様です。最近、当院に於いて初めて新しい治療法を行う機会が二度ありました。2例とも高齢で、高ウイルス量を有し、しかもタイプは?型と言って最もインターフェロンの効きにくい条件が揃っていましたが、患者さんはお元気で御自分からこの治療を望まれました。内心恐る恐る開始しましたが、驚いた事に短期間で、しかも大きな副作用もなく肝炎ウイルスが消失したのが確認されました。従来治療困難と思われていた事が、今回当院で直せる可能性が認められた事は、大変喜ばしい事でした。今後とも、蘇陽周辺で肝癌の発生が一人でも減るよう、私どもは努力を続けていきたいと思っております。
  これから真夏に向かっていきますが、私にとって阿蘇での夏は初めての経験です。市内と違い、クーラーがなくても快適である事を楽しみにしております。皆様もどうか夏バテを為さらずお過ごし下さい。再び外来で色々なお話を聞けるのを待っています。


柏歯科診療所より
 歯科医師 甲斐 義久

 住民の皆様、暑中お見舞い申し上げます。暑い夏、如何お過ごしの事でしょうか?
 早いもので、私は蘇陽で8回目の夏を迎えることとなりました。長いようでも過ぎてしまえばあっという間でしたが、この間に私にとっての大きな節目をいくつか通過することとなりました。
 私的な面では、まずは学位審査。この時は、蘇陽と福岡の車での往復で、心身ともにバテていたのを記憶しています。そして次に、結婚と子育て。私の子供にとってのふるさとは、まぎれもなく蘇陽となることでしょう。
 また仕事面でも、いろんな転機を迎えました。卒後5年目で柏歯科診療所に派遣された訳ですが、蘇陽で仕事を行っていくうちに、蘇陽町の健康づくり、いろんな職種と連携しての在宅支援など、今まで全く知らなかった分野に接することで驚きとともに非常にショックを受けました。しかも、「歯」に関することだけが時代の波に取り残され、今までの歯科としての努力不足を痛感いたしました。
 そこで、在宅の方や介護されている方のお役に立てる様に、訪問歯科診療を開始しました。現在、在宅、施設合わせて年間20症例ほど、回数にして100回ほど訪問歯科診療を行うようになりました。また、歯科保健に関しては、平成8年に国保の補助を得て診療所に歯科保健センターを併設し、乳幼児から高齢者まで各ライフステージに合わせた歯科保健活動を行っています。
 私どもはこれからも「歯の健康」は「体の健康作りの第一歩」として、町の健康づくり、生き甲斐づくりを支えていきたいと思います。

 柏歯科診療所のホームページです。http://homepage.mac.com/kashiwa_dc/


学術部より
 栄養士 工藤 操

 当院では全職員を対象に勉強会や院内学会を開催しております。学術部はその計画、実施を担当しています。
 さる五月三十日には熊本日赤病院国際医療救援副部長の宮田昭先生をお招きし、「安全管理とリスクマネージメント及びアフガニスタン帰朝報告」の題で、アフガン戦争終結直後の医療現場や人々の生活状況を報告して頂きました。
 七月六日には院内学会を開催しました。九回目を迎える今年は、色々な部署から九つの発表がありました。五分と言う限られた時間の中に、日頃の仕事の問題点や研究成果を存分に発表してもらいました。また、水俣市立総合医療センター院長池田恒紀先生をお招きして、「自治体病院のこれから」と題して約1時間特別講演をして頂きました。
 今は無事学会を終えホッとしているところですが、今後も「より質の高い医療」を目指して、勉強会等の計画、実施に携わっていきたいと存じます。


医事課(受付、会計)から
 医事課長 藤嶋 サヨ子

 当院の受付、会計及び医事業務は福祉バスの運行に伴い、受付での混雑を回避するため、又待ち時間を短縮するために現在4人体制で対応しております。常に「迅速で思いやりのある対応」をと心掛けておりますが、なかなか満足していただけないのが現状です。
 さて、受付に於きましては毎月1回、月初めに保険証の提示をお願いしております。保険証を確認することによって皆様の医療費を保険者側に正しく請求し、それがひいては病院収入に繋がりますので、毎月の事で煩わしいかと存じますが御協力お願い申し上げます。又、「総合窓口相談」を設置しておりますので、お困りの事等ございましたら御遠慮無くお申し出ください。
 過疎化に拍車がかかる中、私達住民が生まれ育ったこの大自然の懐で蘇陽病院が公立病院として今後も存続するために、住民のニーズに応えられるよう私共課員一丸となり努力していく所存でございます。


新人挨拶

 内科医師 杉本 啓介

 蘇陽町の皆さん始めまして。6月から赴任しました杉本啓介と申します。以前は、五家荘の診療所に勤務していました。
 五家荘は、秘境といわれるだけあり、単身で生活するのには大変不便な場所でした。蘇陽なら単身でも大丈夫かなと感じています。
 私は、内科医として勤務していますので、2番診察室を受診される患者さんにはご迷惑をお掛けすることもあるかと思いますが、寛大な心で見守って下さい。
 患者さんが1ヶ月もしくは2週間に1度病院に来るのが楽しみになったといわれるように明るい病院作りに励みますのでどうかよろしくお願いします。
 また酒も好きですので、近くの店でお会いすることがあるかもしれませんね。

 外科医師 坂本 達彦

 皆さん、はじめまして。この7月1日付けをもちまして熊本市民病院より赴任してまいりました坂本達彦というものです。今までは、手術と術後管理、乳癌の化学療法などがおもな仕事でしたが、蘇陽病院での仕事は外来診療や検査、往診と多岐にわたります。患者さんも高血圧等の内科的疾患から腰痛等の整形外科的疾患まで様々な疾患をかかえておられます。不馴れなことが多々あるかと思われますが、地域医療、全人医療にどっぷり浸かって頑張っていきたいと思っております。
 尚、夜になると、居酒屋のカウンターでぼけーっと座っているところをどなたかに発見されることがあるかもしれませんので、何卒よろしくお願い申し上げます。


編集後記
 まっしー(益山貞治)

 病院だより第二号、無事発行する事ができました。第一号から2ヶ月、その間に医師以下職員の異動もあり、患者様には御迷惑をお掛けしていると思います。そんな患者様との間を埋めていければ、との願いで編集いたしました。
 ところで、暑い季節になりました。体調管理には十分注意されて下さい。特に食品は痛みやすくなっておりますので、冷蔵庫等の冷暗所に保管し、時間が経った物等は思いきって処分するようにしましょう。勿体無いという気持ちは分かりますが、小銭を惜しんで身上を失う羽目にもならないとは限りませんからね。


宣伝のコーナー 
人間ドックのお知らせ
今回、40・50歳の方のために人間ドックを予定しています。日程は、

第1回: 8月 3日(土曜日) 午前8時30分〜
第2回: 9月14日(土曜日) 午前8時30分〜
第3回:10月19日(土曜日) 午前8時30分〜
第4回:11月30日(土曜日) 午前8時30分〜

自己負担額は5000円となっております。(あとは蘇陽町負担)。この機会に是非お受け下さい。
(詳しくは 83−1122 人間ドック担当者まで)

平成14年9月17日 山都町立蘇陽病院発行 第3号
巻頭言
 院長 池田信二

 皆様こんにちは、蘇陽病院の池田信二です。新秋の候、朝晩の冷え込みが身にしむ毎日ですが、如何お越しでしょうか?どうか、風邪など召されませんように御注意為さって下さい。
 さて、最近医療に関する報道が多い様ですが、なかでも医療ミス、事故、及び診療報酬不正請求など、医療の信頼を揺るがす「悪い病院」の存在が目立つようです。そこで、今回は評判の良い「良い病院」ということについて少し考えてみました。現在、日本医療機能評価機構といわれる組織があって、病院の評価を行うこともありますが、余りにも事務的すぎる様ですので、ここでは だれもが納得するような、全国どこでも通用する立派な病院と言う条件を簡単に考えてみました。すなわち、1優れた医療技術がある事、つまり高度の技術と知識を持った医師、看護師がおり、常にこれを提供できる事。2医療スタッフに豊かな人間性及び思いやりがある事、すなわちいつも患者の立場に立って考え、診療できる事。以上、かなり主観的になりましたが、1,2の条件をみたすのが良い病院であり、一般に言われる、病院の規模、外観、及び高価な付帯施設の有無、などはあまり関係の無い事だと思われます。私達の蘇陽病院は1,2の条件をみたし、医療以外にも採算を度外視した予防医学及び福祉事業にも貢献できている立派な病院と確信します。これは、当院が厚生省より僻地中核病院に指定されている事からも理解できます。医学は日進月歩で進んでおり、同時に患者さんのニーズも高まってきています。医療に携わる者はこれに応じられるように常に努力をする義務がある、と肝に命じなければなりません。

臨床検査科より
 検査技師 橋爪 賢司

 臨床検査科ってなに?
 身体の不調を感じると、私達は受診します。医師は診察時に得られた情報から治療を行います。同じ症状でも複数の病気が考えられるなど診断の難しいケースもあります。そこで、このような病気の診断や、治療経過の確認、あるいは病気の早期発見や予防の目的で行われる検査を臨床検査と言います。そうした事から「病気を探索するレーダー」とも言われています。
 検査は大きく二つに分類する事が出来ます。一つは超音波検査や心電図検査などの身体そのものを検査する生理機能検査です。もう一つは検査材料(血液、尿など)をもとに、その成分や細胞の形態、数などを調べる検体検査です。
 ところで、住民検診で希望者には HCV 抗体検査が実施されます。それはこの抗体が強陽性の方は肝硬変、ひいては肝癌に至る可能性があるからなのですが、抗体陽性でもその値が低い方は治療の必要性はありません。そういった見極めのために血液中のウイルス量を調べる必要性があります。住民検診で HCV 陽性であった方は蘇陽病院に受診されてウイルス量を調べていく事が大切なのです。
 自分自身の健康の維持に積極的に向かい合っていく・・・・それが二十一世紀のライフスタイルです。


在宅介護支援センター「やすらぎ館」です
 看護師 工藤 久巳代

 やすらぎ館は、平成3年から在宅介護支援センターとして活動を開始し、今年で十二年目を迎えます。お年寄りや住み慣れた自宅や地域社会で家族や友人と共に生き生きと暮らせるように、また、お世話なさる方がゆとりを持って介護できるように医療と福祉の両面から御相談をお受けし、それに応じた保健福祉サービスが適切に利用できるようお手伝いさせて頂いています。例えば、「自宅でお風呂に入れるのが大変になった」「火の不始末があり、一人で留守番させられない」などの相談があった場合、介護保険を利用した訪問介護(ヘルパー)や通所介護 ( デイサービス ) などが利用できるように手配や手続きを行います。その他、「廊下に手すりをつけたい」「段差を無くしたい」など、住宅改修に関する内容についての相談や、日常生活の問題については介護用ベットや車椅子、ポータブルトイレ、杖などの福祉・介護用品の紹介及び使用方法等の説明・指導を行っております。また、月に1回家庭介護教室の開催も行っています。
 介護が必要になった時は、誰でも不安です。けれども、一人で負担を抱え込もうとせず、家族でできる事、介護保険やその他の保健福祉サービスを利用した方が良い事について、どんどん私達に御相談下さい。来所が困難な方は電話いただければ御自宅へ訪問致します。生活の中で困っている様々な事など、何でも御相談下さい。


放射線科から
 放射線科技師 荒尾 勇一

 こんにちは! 放射線技師の荒尾と申します。
 この度、七月から病院にも CR 機という機械が設備されました。これは胸部や腹部などの一般撮影がデジタル化され、現像機を用いないでプリンターによりフィルムに撮影する最新の装置です。撮影方法は今まで通りなのですが、その後の処理が精細、迅速、清潔になりました。
 この機械が入り、放射線室はヘリカル CT 装置、 TV 透視装置、骨密度測定装置などと共に、コンピューターを中央にして CT 画像作成ビューアーや CR 画像観察のモニターやキーボード類が所狭しと並ぶ、まるで宇宙船の操縦席のような有り様になってきました。
 このような状況で、外来、病棟各科の先生方の撮影依頼に正確な画像情報を提供すべく努力しています。習性と申しますか、どこにいても救急車の音には敏感に反応してしまう私です。患者様のためを第一に考え、昼夜を問わず、いつでも対応できるように心掛けておりますが、なにぶん一人での勤務のため御迷惑をお掛けする事も時にはあるかと存じます。その際は、どうか御容赦下さいます様よろしくお願い申し上げます。

追伸 後、望まれる事は、 MRI (磁気共鳴装置)が設置される事です。そうなりますと放射線科としてあらゆる検査が当院で可能となります。

編集後記
 まっしー(益山貞治)

窓から室内へと渡る風に、日に日に深くなってゆく秋を感じるこの頃ですが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。
 無事、蘇陽病院だより第三号を発行することができました。今号より紙面を少し改めまして、写真を大きくしてみましたが、いかがでしょうか?
 さて、今年の夏は蘇陽でも珍しいくらい暑かったようで(市内から来た私には過ごし易かったのですが)、体調を崩される方が多かった様です。そのためか、病棟も夏中満床の状態でした。
 そのような夏の疲れは、意外に尾を引く物で、自分自身での健康管理が大切です。記憶にも新しいと思いますが、一昨年のインフルエンザによるお年寄りの死亡率は非常に高い物がありました。お年寄りに関わらず、体力が衰えている方は免疫力も落ち、インフルエンザに罹り易い状態です。ぜひ、予防接種を受けられて、冬への備えとされて下さい。当院でも九月三十日まで予約を受け付けておりますので御利用下さい。


宣伝のコーナー

ホームページ開設のお知らせ

この度、蘇陽病院においてもホームページw開設する運びとなりました。まだ準備機関で一般の方は入れないのですが、もうすぐ公開されます。インターネットをされている方はぜひ訪問されて下さい。URLは、下を参照されて下さい。

http://www.soyo-hospital.jp/


平成14年12月17日 山都町立蘇陽病院発行 第4号
巻頭言
 院長 池田信二

皆様こんにちは、月日の経つのは早いもので、もう2002年度の師走となりました。さすがに阿蘇の朝晩の冷え込みは厳しいようで、十分に体調を整えて信念に備えましょう。
 さて、医療法改正による医療費抑制政策により病院経営が難しくなり、病院縮小、閉鎖等と元気の出ない病院が多い様ですが、私達の蘇陽病院は唯一例外で、大変元気が良い様です。病院職員の努力により住民の皆様の信頼に比例して利用度が増し、病棟は常に満床状態で回転しています。中核病院として、その重責を十分果たしているようです。先日、熊本県国保地域医療学会が県下20以上の病院が参加して行われましたが、蘇陽は小規模病院にも拘らず、参加人員及び発表演題が最も多く、更に会場での発言も一番活発でした。蘇陽の医療福祉に対する意識と質の高さを知らしめるものでした。又、仕事だけでなく院外活動でも蘇陽はチームワーク抜群のようです。先日、高千穂町立体育館での4病院(蘇陽、五ヶ瀬、高千穂、日之影)対抗ミニバレー大会では16チーム中準優勝、3位、4位と上位独占の立派な成績でした。以上のように蘇陽が元気が良いのは職員お互いの信頼関係が大変素晴らしく、それが仕事にも運動にも現れているのではないかと思います。来年はもっと素晴らしい年になると確信致します。皆様と一緒に頑張りたいと思っています。宜しくお願い致します。


薬局より
 薬剤師 桑谷 研三

 大津から高森峠を抜け、蘇陽に近づくにつれ透明感を増す大気は下界では想像も出来ない程、美しい。こんなに綺麗な空気を吸って生活ができるこの地の人々は幸せだと思います。
 一年前、私がこの病院への就職を考えていた頃、一年程の短い間に3人も薬剤師が退職した事を知りました。蘇陽病院は地方自治体病院として先進的な医療を行っていると絶賛されていただけに、訝しい気持ちになったものですが、赴任後すぐに理解致しました。ここは長年の間、地域包括医療を引き継いできた、ベッド数から考えられる規模を超えた仕事量を抱える病院なのだ、と。これで、事務職の方が多い理由も納得できました。当初は、ここで薬剤師の職責を果たすのは無理だと思いましたが、幸いにもすぐに優秀な助手を採用して頂き、現在は、二人の助手に業務、精神両面で支えられて薬局業務を行っています。
 これまでの一年は、患者様の健康に直接関わる調剤ミスの防止に力を注いでいましたが、今後は多部署との連係を重視し、地域包括医療に参加するよう努力してゆきます。


熊本県国保地域医療学会参加 報告
 経営企画課 渡邊 寿彦

 平成十四年十一月十六日、熊本市水前寺の熊本テルサに於いて「第8回熊本地域医療学会」が開催され、本院からも看護科2題、医事課1題、経営企画課1題の計4題の発表を致しました。
 今回のテーマは、「地域における医療と保健・福祉の統合を目指して」〜安心できる生活のために〜という事で、県下の国民健康保険医療施設や各市町村役場から合計二十三題の研究発表があり、「看護・臨床に関するもの」と「保健・医療に関するもの」の2会場に別れて開催されました。蘇陽病院では、従前より毎年七月に「院内学会」を開催し、医局・看護科を中心に各部局より研究発表を行い、その中からさらに内容をつめて「県地域医療学会」に参加しております。
 今後も、医療及び保健福祉に関して様々な角度から研究をし、成果を実践に生かすべく努力したいと思いますので、皆様の御意見等、ぜひお聞かせ下さい。


健康むら長サミットに参加して
 医師 杉本 啓介

 最近一段と寒さが厳しくなりましたが、皆さんお元気にお過ごしでしょうか?
 先日の十一月二日に行われた、健康むら長サミットには皆さん参加されましたか?私もパネラーの一人として参加し、「人間ドックと健康づくり」というテーマで、お話をさせて頂きました。
 以前より「蘇陽病院ではどんな検査ができるの?」といった患者さんからの質問もありましたので、蘇陽病院の人間ドックで行われる検査について、スライドで紹介させて頂きました。思っていた以上にたくさんの住民の方が参加されていましたので、少しドキドキしながらも何とか無事に終えることができホットした次第です。
 蘇陽病院は、皆さんが健康づくりに励まれるに際し、皆さんの健康状態をチェックし、病気にならないよう適切なアドバイスをするなど、一人でも多くの方に関わっていきたいと思っております。
 皆さんも健康診断や人間ドックを受けられ、何か気になることがありましたらどんな些細なことでも結構ですので、病院スタッフまで遠慮なく御相談ください。私達は、皆さんとともに「健康な町づくり」を実践していきたいと思っております。
 最後になりますが、役場職員の方をはじめ、関係者各位に大変お世話になりましたので、この場をお借りして御礼申し上げます。


点滴ルーム完成
 外来看護師長 赤星 美鈴

 患者様には大変お待たせしましたが、さる十一月二七日に外来の点滴ルームが完成致しました。ベッド4床、冷暖房完備、外来とを繋ぐインターホン等が設備され、静かな環境で安心して点滴を受ける事が出来るようになりました。
 この点滴ルームは、患者様の要望により建設されました。患者様にはこれまで待ち時間等で御迷惑をお掛けしていましたが、これを機に少しでも外来診療がスムースに進行できるように改善を重ねていきたいと思います。
近年では患者様の生活の質を重視して、入院しなくても外来で手術を行う日帰り手術や治療(点滴)が多くの病院で行われるようになりました。勿論当院に於いても、患者様中心の医療を心掛け、出来るだけ早く御帰宅できるように努めています。患者様にはなにかと不便とは存じますが、お気付きの事がありましたら、お申し付け下さい。


4病院球技大会について
 バレーボール同好会キャプテン 橋野 洋子

 十月五日、4病院対抗球技大会(ソフトバレー)が高千穂町立体育館で開催されました。  大会には、蘇陽、五ヶ瀬、高千穂、日之影の4つの病院の職員が参加しました。当院からは、3チームが出場し、他の病院との親睦を深めました。大会前に、回数は少なかったですが、院長を始め、先生方、職員の方とも練習を行い、昼休みには病院の駐車場での練習も行われていました。
 当日、試合は予選、決勝ともリーグ戦で行われ、我が A チームは予選の1回戦、リードを許しましたが粘り強さで逆転、他のチームも順調に決勝に勝ち進みました。決勝リーグでは、 A チームは前回優勝の日之影と、手に汗を握る熱戦の末惜しくも準優勝、残りの B 、 C チームで3、4位と当院は大健闘でした。全選手、仕事を忘れ、一生懸命にボールを追い、気持ちの良い汗を流したようでした。来年は優勝を目指し、早めに練習に取り組み、蘇陽病院に優勝旗を持って帰りたいと思います。


編集後記
 まっしー(益山貞治)

 今回は前回から三ヶ月期間があった為、盛り沢山の内容となっております。如何だったでしょうか。今年も後わずかとなりました。お体に気をつけて、皆様が良いお年を迎えられますよう祈念しております。


宣伝のコーナー 

蘇陽病院では、一般内科・外科以外にも、非常勤の医師により、下記の診療を行っております。

月曜日  :循環器内科
火・金曜日:整形外科
木曜日  :眼科

それぞれ午後二時頃からの診療開始となっております。